設立趣旨
2017年6月23日、大学公認の部活動として、九州大学起業部が発足いたしました。野球部が野球をするがごとく、起業部は学生時代に起業し、学生ベンチャーを創出することを目的とします。起業の意志がある九州大学の学生が総勢150名入部し、国内最大かつ最高レベルの起業家予備軍が集う組織が誕生しました。
九州大学は2000名を超える研究者が在籍し、それ以上の技術シーズを有しております。また、現在、多くのベンチャーキャピタル、ファンドが設立され、十分なリスクマネーが供給可能な環境にあります。日本政府は、開業率を5%から欧米並みの10%に引き上げることを国際競争力を強化するための成長戦略として打ち出しています。そして、九州大学起業部のように、数多くの起業志向の若者が、この国には存在しています。
しかし、わが国のベンチャー創出状況は、必ずしも、芳しいものではありません。それは、起業家が少ないからです。とりわけ、大学発ベンチャーの創出においては、技術、資金的な課題よりも、技術シーズを事業化する起業家が圧倒的に不足しており、その役割を研究者に求めることの限界が指摘されています。一方、起業を志す優秀な学生が多数存在します。しかし、これまでに優秀な起業家予備軍もいる中で、ベンチャーが創出されない大きな要因は、ベンチャーキャピタルから投資を受けるために必要不可欠なプロトタイプ開発資金が不足しているためです。つまり、技術がある、VCの資金もある、起業家予備軍も多数いて、エコシステムが格段に整備された中で、画竜点睛を欠く状況にあるのが我が国の現状です。
そこで、九州大学起業部を支援するための一般社団法人 QU Venturesを設立し、企業から寄付金を募り、学生ベンチャーのプロトタイプ開発資金にノンエクイティで資金を供給いたします。これにより、ベンチャーキャピタルから投資交渉できる状況が整い、すべてのエコシステムが機能し始めます。
九州大学起業部は、学生ベンチャーの創出のみならず、大学の技術を応用した大学発ベンチャーの経営人材の育成をも視野に入れ、九州大学のみならず、わが国のベンチャー創出スキームのロールモデルとなる大きな可能性を秘めております。
一般社団法人 QU Venturesは、九州大学起業部の支援を通して、学生ベンチャーの創出、大学発ベンチャーにおける経営人材の養成を行い、わが国のベンチャー創出における先駆的な役割を担いつつ、地域経済に貢献していく所存です。
一般社団法人 QU Ventures
代表理事 熊野正樹